昇安寺址三重石塔

昇安寺址三重石塔昇安寺址三重石塔

所在地

咸陽郡水東面牛鳴里山10(昔の昇安寺址)

指定番号

宝物第294号

時代区分

高麗時代

昇安寺址三重石塔の紹介

高麗時代石塔の多様な様式の中で、新羅以来の彫刻様式を充実に受け継ぎながら部分的な面で高麗化が明らかな作品である。基盤部は二重になっており、下層基壇は地台石と中石、甲石を1つの石に刻み、全部で4石で構成された。

中石は高く、各面には隅柱、撑柱が1柱ずつ彫刻されている。甲石は段差が浅く、上面には段台がある。 上層基壇の中石は、計4枚の板石で構成されているが、撑柱で両分された各面には仏像、普薩、飛天像などが2体ずつ、8体が浮き彫りされている。塔身部は屋身と屋蓋石がそれぞれ別の石からなり、各層の屋身には隅柱形が薄く彫刻され、初層には四天王像が各面に1体ずつ彫刻されている。

屋蓋石は屋身に比べて厚くどっしりとした重みを感じさせるが、軒線はほぼ水平をなしつつ四隅では反転を見せ、落水面の傾斜がきつい方である。屋蓋台は各層4段であるが、軒下に広い空間を置いているのも特異である。相輪部は露盤、覆鉢、仰花が残っているが、覆鉢には中央に二條帯線が巻かれている。

この石塔は、元々の位置から2回にわたって移動したが、1962年の移動時に、初層屋身の上面の円形舍利孔から円筒型舍利函、緑釉舎利甁、絹の切れ端と袋、ガラス玉などが発見された。円筒型舍利函の下に置かれた袋の中から弘治7年(朝鮮成宗25年 : 1494年)の重修に関する内容を記した韓紙黒書重修記が発見され、この装身具はこの時代に装置されたものと考えられる。