咸陽校山里の石造如来座像

咸陽校山里の石造如来座像咸陽校山里の石造如来座像

所在地

咸陽郡咸陽邑咸陽中学校内

指定番号

宝物第376号

時代区分

高麗時代

咸陽校山里石造如来座像の紹介

この仏像は、現在咸陽中学校の境内にある高麗時代の石仏座像である。台座の高さまで含むと4mを超える巨大な彫刻、風化作用による破損が激しいにも関わらず、変わらず雄大壮厳な印象を与え続けている。仏像は全体的に摩滅が激しく、顔と右手、膝及び台座の一部が破損している。 頭部が摩滅し、上部は見分けがつかないほどであるが、陰刻された眉毛と厚ぼったい唇、そして豊満なアゴは仏像の原型を思わせる。

首には、三道が刻まれており、丸い肩に右肩扁袒の大衣を着た形象で表現されているが、服のひだが平行密集線で陰刻されているのは高麗初期の彫刻によく見られる技法で、彫刻技術の退歩と関連があるようである。

右腕は太く逞ましく、手は割れているが降魔触地印を取ったように見える。形態が分からない左手も、膝の上に禅定印が施されたものと見られる。 右肩扁袒の法衣を着て降魔触地印手印が施された仏像形式は、黄州の鉄造如来坐像や宝通寺址出土の鉄造如来座像とともに高麗初期の彫刻と推定される一連の鉄仏などと同じ類型の作品と考えられる。

台座は上、中、下台を揃えた四角台座で、上台の裏表面が割れており、両側面に複弁蓮花紋が3つずつ彫刻されている。中台には各面ごとに大きな眠象が2つずつ配置され、下台の覆蓮座は比較的鮮明に残っている。台座の形態は高達寺址の石仏台座(宝物第8号)と類似しており、特に蓮葉の彫刻がよく似ていて注目される。