韓信渓谷

韓信渓谷


智異山北部の深くて広い韓信渓谷は、咸陽郡馬川面白武洞から細石高原までの険しいながらも秀麗な渓谷美が一品である。渓谷美の極致である瀑布を数多く醸し出し、白武洞から細石までの10Kmの旅程を誇る韓信渓谷は、玲瓏な玉が転がるように澄んできれいな水流が一年中変わることなく流れる瀑布水の渓谷である。 白武洞から細石までの韓信渓谷と、徳坪峰の北側から発源するパルン峠ゴル、七仙峰付近から下ってくるコドゥン峠ゴル、ジャントモク方向から流れてくる韓信支渓谷など、4つの支流がそれである。 ここから韓信渓谷を中心とした4つの渓谷が白武洞渓谷を成し、厳川に流れて南江の上流が形成されるが、韓信渓谷はチョッテ(燭台)峰と霊神峰の間の狭谷で作られ、カネソ瀑布で韓信支渓谷と合流し、白武洞へとつながっている。

韓信渓谷と韓信支渓谷は誰でもきちんと整えられた登山路を通って簡単に登ることができるが、パルン峠ゴル、コドゥンゴルは、まだ簡単には接しにくい未知の渓谷として残されており、太古の美を保ち続けている。

韓信渓谷の登山起点は白武洞である。白武洞まで車を利用でき、チョンナドゥリ瀑布までの広くて静かな道は、家族で登山できるようにしてあるくらいきちんとしてあり、林の中の道をずっと行くと初めて登山路と渓谷が出合う地点があるが、ここがチョンナドゥリ瀑布である。20余りの水流が渓谷を横切る橋の下に流れ落ちるが、橋の上から見下ろすよりも、橋の下から見上げる方がずっと壮観である。 登山路を沿っていくだけでは見落としやすい瀑布で、水しぶきが飛び散りながら水煙をたてるため、幻想的である。橋を過ぎて登山路に沿っていくとすぐにまた別の橋が3つ出てくるが、橋の上から足元の渓谷流を見るのも一品である。

チョンナドゥリからカネソ瀑布までの1km区間は韓信渓谷の真髄として評価されている。名前のない瀑布水であり、平ぺったい盤石や鬱蒼とした樹林はそれこそ美しい。カネソ瀑布のすぐ下の地点から水流が二股に分かれているが、それが韓信渓谷と韓信支渓谷である。韓信支渓谷はネリム瀑布に沿ってジャントモクへとつながり、韓信渓谷は五層瀑布、韓信瀑布に沿って細石につながる。 カネソは15m高さの瀑布であり、50坪余りの青黒い沼をなしており、何よりもその雄壮さに圧倒される。 最近は祈雨祭の伝説を秘めているカネソに年中数多くの登山客が訪れている。韓信渓谷の本格的な山行はカネソから細石までの7km区間である。カネソの左側にある坂道を少し上って行くと渓谷が現れ、そこを渡ることになるが、渓谷周辺の林道を行くと瀑布が5段階に長くつながっており、独特な美を演出する五層瀑布がある。山竹や雑木トンネルに沿って渓谷を渡り登山路に沿っていき、多少きつい傾斜道が幾つか現れた後に韓信渓谷を象徴する韓信瀑布の道しるべに出合う。

瀑布は道しるべから80m余り右側の渓谷の方へ行かないと見られないほど隠密な所に隠れている。韓信渓谷は数多くの瀑布水を醸し出して終わり、最後の1Km距離は刃のような岩道に沿って細石へとつながる。白武洞を出発点にして原始林や秀麗な水流を経、ツツジの香りがたちこめる細石で終わる韓信渓谷コースは、この夏一度は登ってみたい幻想的な登山コースであるといえる。



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